日本無限軌道四国総局>地下ひみつ工場>琴電93をつくる



今世紀初頭(苦笑)、吹田国際鉄道(仮称)から譲渡を受けた大量の模型車両・キット群の中に、
仕掛品のワム製琴電10・90型キットがあった。筆者はハンダ付けで真鍮キットを組むのは初めて
で、友人の助言・協力を仰ぎつつ10年かけて(実作業時間は数日だが)完成にこぎつけた。

譲渡時はプレス折り曲げ一体の側板屋根に前後妻部と屋根オデコ部を仮り付けした
状態だったが、オデコのプレス部品が屋根中央部に比べて数ミリも背が高く、接合部
に盛り済みのハンダでは段差解消は無理。
ハンダ付け車体をバラすのは昔失敗した苦い経験があるので躊躇していたが、2002年11月
のオフ会に持参して団長氏に相談したところ、お持ちのコテでえいやっと外して下さった。感謝。
翌年、バラしたオデコは下部を根気良くヤスって高さを合わせ、前後妻部と側ドアを介して
接合。床板取り付けアングルも付けたが、側板に少し歪み発生。
難関はエッチング抜き帯板を曲げてぐるりとハンダ付けする屋根雨どいだったが、教科書通り
ハンダメッキしてトライしてみたら案外簡単に形になった。ビギナーズラックだったのかも知れ
ない。ケーブルTVでスレイ○ーズ(初代ではない)の集中放送を流し見しながらの休日半日
作業だったのが印象に残っている。
これはキサゲ後の記念撮影。2003年2月22日とデータにある。
キサゲ刷毛等ハンダ便利グッズの購入には、よこやま氏のお世話になった。ここでも感謝。

次の画像は2009年9月。随分寝かせて黒ずんでいたいたのでクレンザー洗いをかけ、
貫通路ドア・運転室窓枠とヘッドライト・列車無線アンテナ台をつけたところ。
当初、両運電動車の10型に仕立てるつもりでパーツ等も準備していたが、寝かせる間に、
まさかのTOMIXから琴電3000型発売!連結相手の電動車を得たことでパンタ配管等不要な
Tc90型に方針転換した。

キット付属の窓枠はステンレスの薄板を抜いたもので、あまりに窓枠が細く頼りなく感じたので、
もう少し太めに見える(寸法にしようとした)窓枠を0.3ミリプラ板から新製。運転席助手席と貫通路
窓は重ね合わせて2段表現も行ってみた。2009年12月。

2010年12月。手すりやホワイトメタルパーツをつけていちおうボディ完。
貫通路の高さが足らないようで、ちょっと顔の印象が違うのを補正できないかと、幌枠上に
プラ帯を張り足して見かけの高さを稼いでみた。

続いて塗装に進む。メタルプライマーの後、屋根塗りと傷隠しを兼ねてサーフェサーを吹く。

屋根をマスキングしてクリーム1号一色に。東武電車みたい。

下半はガンダムカラーのシャアピンク!何れも缶スプレーである。

塗り分け車体のマスキングを剥がす瞬間のドキドキは久しぶりだった。
床下は魚腹台枠ではないと判断。プラ角棒で梁を表現した上に、数少ない写真から推測で
タンク等機器を配置。オーバーハングが長くてスカスカ感の出やすい端部にはジャンパー栓
を奢った。両サイドの薄短板は、木造車時代の側台枠の名残りということで、90型各車で
車体裾から覗く形が違うのだが、キット側面図を参考にそれらしく見える程度に付けてみた。

運転会デビューは2010年12月末。翌年2月、車輪をスポークに交換した時の記念撮影。
最近はデザイン用品としての汎用インレタは売っていないようで(デジタル時代に必要ない
のは分るが)、残り少ない20年ものを大事に使っている。

TOMIX3000型との色味の差は如何なものだろうか。90がいたころの琴電は全般に褪色
著しく、こんな色鮮やかな車両は見た記憶がないが、模型ならではというところだ。

付録:琴電では長尾線の30型も在籍している。キット組立完の委託品を購入、シャアピンク
だけ塗り替えたものだ。TOMIXに付属の行先板は重宝している。

付録2:その後、中古組立て品を塗り替え、改造した同系M車11が仲間入りした。
パワートラックの不調と車高調整の都合で無動力化。TOMIX3000と組んでの運転となる。
2013年暮の地元運転会にお邪魔した際の撮影。カメラの違いによる色調差が目立つ。

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